FUJIFILM公認の「Xフォトグラファー」で、ブラジルのウェディングフォトグラファー、Arlindo Namour Filho氏(http://fujifilm-x.com/photographers/ja/namour_filho/)からインタビューを受けた記事が、彼のサイトで公開されています。
ハナハダ嬉しがりのようで恐縮ですが。。。
ナムール氏も私も、けっこう頑張った力作インタビューですので
ぜひ皆さんにも読んでいただきたく、こちらに日本語訳をUPすることにしました。
その前に、ちょっとだけ言い訳を_
・話題はFUJIのXカメラが中心ですが、掲載写真はPENTAXやNIKONの一眼レフで撮影したウェディングフォトが混じっています(写真セレクトはナムール氏)。なぜなら、私がXカメラでウェディングを撮影するようになったのは今年に入ってからで、まだ今のところ日本の伝統的な結婚式は撮影していないからです。
他国の読者に日本の伝統的なウェディングを紹介する意味合いもこめて、そのような写真セレクトになっている点、ご了承ください。
・日本語に訳すとちょっとキツイかなと思われる部分も・・・?
しかし、これは英語と日本語の表現の違いとご理解ください。
私自身、「あいまいな表現では全然意味が理解できない」と、さんざん外国の人に注意されてきたことなので。
もしかするとキツイと感じるかもしれませんが、虚言・暴言は言ってない(ハズ)なので、「なんだ生意気な!」なんて思わず優しく読み進めてくださいね。
原文のインタビューのサイトはこちら(English & Spanish)
↓
http://www.ehnamour.com/interview-with-michi-watanabe
和訳は長くなるので、以下、たたんで掲載します。
それではどうぞ!
◎ナムールの質問
プロのフォトグラファーになってどのくらい経ちますか?
また、きっかけを教えてください。
○ミチの答え
1997年(私が今よりほんのちょっと若かった頃!)にプロになり、今年で17年目になります。
最も初めのきっかけは1992年に姉の結婚式を撮影してアルバムをプレゼントしたことでした。それから親戚や友人の結婚式に参列しては撮影するようになり、彼らや知人からのクチコミでお客さまからの依頼を受けるようになりました。
当時、女性のウェディングフォトグラファーは非常に珍しい存在だったので、特にお支度の場面などを女性に撮ってほしいという花嫁さんから次々と依頼を受けることができました。
これは、無名の駆け出しだった私にとって大変ラッキーなことでした。
(※本当はもっと色々なエピソードがあるのですが説明が複雑になるのでインタビューでは割愛しています)
その後、1999年にイギリスへ渡り、4年間暮らしました。以来、今でも年に一度は時間を作って渡英することにしています。
異文化のウェディングを撮影することを通じて、他国の皆さんと自分たちとの違い/違いの無さを感じとることは、
いつも私にとって大きな喜びです。
◎ナムールの質問
日本のウェディングフォトグラファーとは、どういうものですか?
どれくらい重要だと思われているのでしょうか?
○ミチの答え
日本では「ウェディング・パッケージ」が一般的です。
会場、貸衣装、小物、食べ物、装花、そしてプランニングや写真などが全て最初からセットになっていて、セット内容とは異なるものを使うことは制限ないし禁止されることも多いのです。
(私のような)パッケージに含まれない独立のウェディングフォトグラファーは、まだ日本では新しい、特殊な職業といえます。
なので、私たちは未来の新郎新婦に対して「自分の好みに応じてフォトグラファーを選ぶことができるのですよ」ということをプロモートするところから始めなくてはいけません(選べる可能性すら知る機会のないお客さまも多いので…)。
このようなウェディング業界の因習を改善していくことも、目下、私達にとって大きな目標の1つです。
◎ナムールの質問
ミラーレス機はプロのフォトグラファーに支持されていると感じますか?
あなたは100%ミラーレス機ユーザーですか?
○ミチの答え
いえ…正直、ウェディング当日をミラーレス機だけで撮影しようとは私は思いません。
理由の1つとして、日本の結婚式はおよそ10分刻みで進行が決められており、すべての進行を撮り逃さないことが必須となっています。
そんな現場には、素早くて正確なフォーカス機能、寿命の長いバッテリー、ダブルのメモリーカード・スロットなどを備えた堅牢なカメラが相応しい。その意味においては、今でも一眼レフは優秀な仕事カメラといえるでしょう。
しかしながら、大きな一眼レフを2台も、朝から晩まで(小柄な私が)抱え続けるのは、かなりの負担です!
そこで思い切って、FujifilmのX-T1が発売された頃(※今年3月)に、それを仕事カメラに導入してみることに決めました。
(※元々、趣味カメラとしてX-E2を愛用していてXカメラの良さは知っていたのですが、ボディの使い勝手上の理由からウェディングの仕事に使おうとは思いませんでした…)
X-T1の使い勝手の良さ、撮れる絵の素晴らしさ、そして、もちろんボディ(レンズ)のスマートさがその決め手です。
今、私は結婚式の舞台裏、ポートレイト、イメージショット等をT-X1で撮影し、進行の記録や、記念写真的なものをNIKONの一眼レフで撮影しています。
私にとって、T-X1は小さなスパースターであり、一眼レフは彼女を守るタフなボディガードなのです!
私の知る限り、ミラーレス機をメインカメラにしている日本のウェディングフォトグラファーというのはまだ聞いたことがありません。
先にお話ししたとおり、個人的には難しいと思っていますが…近い将来に現れるのかもしれませんね?
◎ナムールの質問
あなたが影響を受けた写真家は?
○ミチの答え
ロバート・キャパ、ジャック・アンリ=ラルティーグ、ボブ・ウィロビー、植田正治。彼らは昔から私のヒーローでした。
…あと、仕事でXカメラを使うようになったのは、一昨年、ロンドンでXフォトグラファーのケヴィン・ムリンズ(http://fujifilm-x.com/photographers/ja/kevin_mullins/)と知り合い、作品に感銘を受けたことも大いに影響しています。
◎ナムールの質問
あなたはASUKA BOOKセミナーの講師を務めましたね。日本のフォトグラファーは今でもデジタル画像ではなく、プリントでクライアントに納品するのですか?
あなたにとってフォトブックはどれほど大切なものですか?
○ミチの答え
私自身は、画像データだけでなく写真集もセットで提供するように努めていますが、フォトグラファーによっては画像データだけを納品する人もいるようです。
私は、例えば月に4件撮影して画像データだけを納品するよりも、月に2件撮影して、写真集まで制作することを好みます(同額以上の収益を得られる方法論として)。
先日、写真集を納品した(※イギリス人の)お客さまから次のような感想をいただきました。
「あなたの作った写真集のストーリー展開や写真1枚1枚を選ぶセンスが、私たちはすっかり気に入りました。あなたは写真集づくりに関して卓越した才能の持ち主だと思います」と。
これこそ私のライフワークなのです!
美しいウェディング写真集は、おふたりと、現在そして未来のご家族にとって、何物にも代えがたい宝物になると私は信じています。
◎ナムールの質問
あなたのFujifilm Xカメラの機材を教えてください。
○ミチの答え
・X-T1 … 仕事カメラ
・35mmF1.4 … 私の標準レンズ
・56mmF1.2
・10-24mmF4… 14mmF2.8に替えて新規投入
・X-E2 … 旅カメラ
◎ナムールの質問
日本のウェディング業界の将来性について、あなたの見解を教えてください。
見通しは明るいですか?
○ミチの答え
私は自分だけの仕事以外に、日本ウエディングフォトグラファーズ協会に属して社会的な活動を行なっています。
私たちウェディングフォトグラファーが地位を確立していくのは容易なことではありませんが、同じ志の仲間と共に頑張っています。
それと個人的には、Xカメラが私のキャリアに新風を吹き込んでくれたおかげで、これからも益々頑張っていけそうな気がしています!