イギリスのウェディングフォトグラファーへのインタビュー第2弾です☆
前回のケビン・ムリンズ(Kevin Mullins)さんに続いて
今回登場するのはロンドンを拠点に活動するマリアンヌ・チュア(Marianne Chua)さん。
昨年、レンジファインダー・マガジンの「最も有望なウェディングフォトグラファー30人」の1人に選出された新進気鋭のフォトグラファーです。
今年7月、私がロンドン・フォトセッションのために渡英していた時、
ソーホーのカフェでインタビューしてきました。
彼女とは、ネット上のXカメラ同好会を通じて知り合い、実際に会うのは初めてだったのですが
とってもユニークかつフレンドリーな女性で、すぐに意気投合^^
私とは個性や作風は全く違うのですが
同じ職業、同じカメラ、そして、やはり同じ女性だけあって
ス~ッと共感できることが多かったです。
※ちなみに彼女のポートレイトも私のX-T2+35mmで撮影しました
日本とイギリスの文化比較としても面白いと思います。
それでは、どうぞ!
1)ウェディングフォトグラファーになったきっかけは何ですか?
きっかけは友達のお母さんの結婚式を撮影したことです(※20代半ば頃とのこと)。
それまでは趣味程度にフィルムで写真を撮るくらいでした。
正直いって、ウェディングに格別の関心があったわけではないのですが、心理学的に人間や人々の感情というものにはずっと興味がありました。
また、私は「ストリート・フォトグラフィ」というジャンルにとても興味がありました。
なので、私にとってウェディングフォトとは「勝手に撮影しても誰も怒らない」ストリート・フォトグラフィのような感覚です!
2)大体、毎年何件のウェディングを撮影しますか?
最近は年に40件くらい撮影していて、だいたい年間35件くらいに抑えるようにしています。
それ以上たくさん撮影すると余暇を楽しむ時間がなくなることに気づいたからです。
仕事を減らして余暇に自分の感性を磨き、それをまた自分のウェディングフォトを高めることに役立てたいと思っています。
3)主な集客方法を教えてください
私は、前のお客さまからのクチコミで多くの依頼を請けています。
ほとんど有料広告を出すはやめました。
ただし、私は自分の好きないくつかのウェディング・ブログ(※)に記事を書いていて、その読者からの集客もあります。
あとは、グーグル検索からの集客も時々…本当はもっとSEO対策をしっかりやらないといけないのですが!!!
※筆者注:彼女はSNSはあまり好きではないけれど時代の流れ上、仕方なくやっていると(笑)
でも、これからもサイトやブログ、お客さまとの直接のつながりを大切にしていきたいと話していました。
※彼女が好きなウェディング・ブログ(イギリスのプレ花嫁さんに人気の「いかにもイギリス!」なブログです)
https://www.whimsicalwonderlandweddings.com
https://www.rocknrollbride.com
4)愛用の機材を教えてください。(2018年現在)
◆カメラ
FUJIFILM X-T2 ×2台
※ミラーレス一眼レフ
◆レンズ
16mmF/1.4
23mmF/1.4 ※1番のお気に入りだそうです
56mmF/1.2
※すべてAPS-Cサイズ
◆編集ソフト
Adbe Lightroom
※すべてRAWで撮影して編集するそうです
◆その他
Godoxのフラッシュ・システムを愛用しています。
フジフイルムのカメラユーザーにオススメです!
5)ウェディングフォトグラファーとして成功するために最も大切なことは何だと思いますか?
ウェディングフォトグラファーとしての成功とは、自分が心から撮影したいと思える、自分のスタイルにぴったりのお客さまを獲得できることだと私は思います。
そのためには、自分独自のスタイルを確立すること、「標準的手で無難なウェディングフォトを撮っていれば良い」という考えから脱却することが成功するために最も大切なことだと思います。
6)ウェディングフォトグラファーになって良かったと1番に思うことは何ですか?
素晴らしい雰囲気の中、心から幸せそうな人々に出会えるこの仕事が、私にとっては日々新鮮で、とても興味深いものです。
誰かの一生の思い出の一部になれるというのは、ウェディングフォトグラファーならではの特権です。
7)イギリスのウェディングフォトグラファーが直面している最も深刻な問題点は何ですか?
個人的なことですが、週末に友達と遊べなくなったり、友達の結婚式でブライズメイドになれなたくなったことが残念です。
8)あなたの個性とは?
マンガ(二次元)っぽい写真、つまり、クッキリした(被写界深度の深い)線や形で、ユーモアあふれる表現をめざしています。
また、ゲストや、ささやかで他愛のないものにも目を向けるようにしています。
※筆者注:彼女のサイトを見れば彼女の言いたいことがよく分かります。
そういう表現を意図的にやっていることがユニークですね。
9)(一般論として)日本のウェディングフォトには興味がありますか?
私は日本が大好きで、来年の春には日本旅行を企画していているにもかかわらず、日本のウェディングフォトは今まで一度も見ようとしなかったことを白状しなくてはなりません。
日本食が好きすぎて、自分のフォトプランの名前にスシの名前を付けているにもかかわらず!です。
(※筆者注:たしかに、彼女の最上級プランには「オオトロ」、オプションは「エダマメ」という名前がっ!(後ほど彼女のサイトで確認してみてくださいね)
何はともあれ(笑)そのネーミングが一般的に通用するほどイギリスに日本食が浸透しているという事実に感心します)。
私のいとこは日本女性と結婚し、その美しい衣装に心惹かれたことは覚えているのですが、当時の私はまだ幼く、また、式そのものは特に日本風というわけではなかったのです。
私はいつも自分自身とは異なる文化の結婚・結婚式を撮影してきました(※彼女自身はシンガポールの血を引くイギリス生まれのイギリス人です)。
なので、日本のウェディングやウェディングフォト事情についてもこれから学んでいきたいです。
10)(ネットで日本のウェディングフォトを見て)イギリスと日本のウェディングフォトに違いを感じますか?
(日本のウェディングフォトは)イギリスのそれよりも、定番のポーズ写真が多い気がします。
また、ポートレイト撮影に(超)広角レンズをよく使う傾向があるように見えるのですが、イギリスでは、ファーストダンスの時くらいにしか、めったに超広角レンズは使いません。
もっとも私は、イギリスの写真の中でもドキュメンタリーや前衛的な写真に寄っているため、印象が偏っているかもしれませんが。
編集面に関していえば、イギリスのウェディングフォトのほうがもっと暗めに、陰影を感じさせるように編集すると思います。
11)最後にメッセージを!
私はイギリスでウェディングを撮影するだけでなく、フラッシュのワークショップを開催したり、FUJIFILM UKがサポートする「Xウェディング・カンファレンス」のスピーカーを務めたりしています。
来年、来日した折りには、日本のウェディングフォトグラファーの皆さんとも触れ合う機会があれば嬉しいです。
興味を持ってくださった方は、instagramから気軽にメッセージをくださいね!
【インタビュー後記】
彼女のウェディングフォトは、フォトグラファー、新郎新婦、ゲスト、会場に至るまで、すべてが型破り、まさにワンダーランド!
言葉どおり「標準的で無難なウェディングフォト」にならないよう、イベントや人々を表面的にとらえるのではなく、そのドラマや気持ちの奥深くへ入り込んで写真を撮ろうという強い意志が感じられます。
きっと、ウェディングには全く興味のない人まで思わず惹きつけられる写真です。
日本で同じようなウェディングフォトを撮るのは色々な意味で難しいと思いますが、だからこそ、世界を知り、刺激を受け、日本のウェディングに風穴を空けるためにも、ぜひ彼女の話を日本でも聴く機会があればと思いました
(個人的には、彼女のストロボ・ライティングセミナーに興味津々)。
WEBSITE| www.mariannechua.com
Instagram|https://www.instagram.com/mariannephotos/
1) How did you start as a Wedding photographer / What attracted you to this side of the profession?
I started when a friend’s mum was getting married and they took a chance on me, knowing I had only shot film as a hobby up until then! I didn’t actually have any prior interest in weddings in particular, but as a psychologist I have always been interested in people, and human emotion. I was also interested in street photography so a wedding feels a little bit like shooting street photography… where no one gets angry at you!
2) Approximately how many weddings do you shoot each year?
Nowadays I average about 40 weddings a year, having gone above that number I’m choosing to limit myself to nearer 35, I find too many over that number means I don’t have much time to enjoy summer weekends, and I’m hoping to cut back on weddings to allow myself more time to explore my creativity, which in turn I will inject back into my wedding photography
3) How do people most commonly hear of you? {e.g. recommendation from venues, referrals from previous clients, print advertising, online advertising, internet searches, other}
I get a lot of my work through previous client referrals, and I have stopped most advertising although I am on the directories for a few wedding blogs that I like and support. People sometimes find me through google as well, although I am guilty of not really making any effort into my SEO!!!
4) What is your equipment?
*cameras; Fujifilm x-T2
*Lenses; 16mmF/1.4, 23mmF/1.4 (*Favorite), 56mmF/1.2
*Software; I use LR to edit!
*Others; Love toe godox flash system, really invaluable for Fujifilm shooters
5) What do you think the most important thing to be a successful wedding photographer is?
I think success as a wedding photographer is being able to get clients you love working for and being able to shoot in a style that totally works for you, so I think the most important thing to be successful is to commit to shooting in your own style and not caring about the norms of society or the wedding world.
6) What is the strongest advantage of being a Wedding photographer for you?
I get to see people on a really happy day when everyone is in a great mood, every day at work feels different and interesting for me! It’s a real privilege to be able to be a part of someone’s memories that will stay with them for a lifetime
7) What is the most hardship to be as a wedding photographer in the UK?
You miss a lot of Saturday fun times with friends, and in my case missed being a bridesmaid at a friend’s wedding!
8) What is your own ‘individuality’?
I like to combine a rather 2d cartoon compositional style characterized by rigid lines and shapes with a sense of humour, either literally in the guests or to shoot small whimsical things that take my fancy!
9) Are you interested in Japanese wedding photography?
I must admit I had never looked at Japanese wedding photography before even though I absolutely love your country and am planning to visit next Spring! Not to mention I love the food so much I name my photography packages after my favourite sushi! My cousin is married to a Japanese woman and I remember being fascinated by the traditional outfits, but I was quite young at the time and I don’t think the ceremony contained any particular Japanese traditions. I have always embraced weddings and marriages from cultures different to my own, so I would be interested in learning more about Japanese weddings and the wedding photography scene!
10) Can you feel any differences between British & Japanese?
I have the impression that Japanese wedding photography contains more static poses, and also seem to use wider lenses in portrait orientation, I find it’s rare you’ll see a British wedding photographer using a super wide outside of the dancefloor, but to be honest I think some of this is more because I am personally so heavily surrounded by British documentary and “alternative” wedding photography. Our editing is less light, I feel like British wedding photography looks a bit darker.
Thanks a lot!