スコーンの味覚から
不意によみがえる
遠い日の記憶
こんにちは。
ウェディング&折々の記念写真フォトグラファーの渡辺未知です。
6月の「ティータイム写真室」※では、
北野佐久子さん著『イギリスのお菓子』のレシピで作った「物語スコーン」をお出しします。
愛をこめたクリームティーで
心の奥深くから楽しんでいただける記念写真DAYとなりますようにとの願いをこめて❤︎
それでは、今回のスコーンにまつわる物語をお読みください。
はじめて知ったクリームティー
スコーンを食べれば、思い浮かぶのはイギリス…
と、言いたいところですが
私が真っ先に思い浮かべるのは
畳
布団の中から見る、日に焼けた香ばしい茶色の畳が一面に広がる「ウチの畳の部屋」です。
10代後半まで喘息を患っていた私は、1か月に1週間くらいの割合で、布団の中で過ごす生活を送っていました。
発作がひどい間は苦しくてただ寝ていることしかできないのですが、治りかけの最後の2日間くらいは、1日中好きな本を読んで過ごすことができ、実はそれが密かな楽しみでした(”どんなに辛いときにも、幸せはある”と、いう実感)。
その「好きな本」というのが、メアリー・ポピンズ、くまのプーさん、ピーター・パン、不思議の国のアリス…といった、いわゆるイギリス児童文学だったことが、私の「イギリス好き」の原点です。
疲れたら、本を閉じて物語の続きを想像します。
すると、目の前の畳が、メアリーポピンズの子供部屋や、プーさんの森や、アリスのティーパーティの光景に早変わり。
本当に「おとぎ話」の中に居るようでした。
そんな「おとぎ話」への興味が、やがて物語の舞台となっているイギリスの土地や、イギリス文化に対する興味へと広がっていき、大人になるにつれ、イギリスについて書かれたエッセイや実用書を読み漁るようになっていったのです。
そんな中で出会ったのが、『イギリスのお菓子』。
※絶版/古書でのみで入手可能
その名のとおり、イギリス名物のお菓子のレシピが、素敵なフォトエッセイと共に掲載されている1冊です。
どのお菓子も魅力的ですが、特に心を奪われたのが、紅茶とスコーン、クロテッドクリーム、ジャムがセットになった「クリームティー」というもの。
当時、スコーンは日本ではまだまだ珍しく、まして「クリームティー」なんて聞いたこともありませんでした。
「いつかイギリスへ行き、クリームティーを食べたい!」
この本を読んでから、それが私の夢の1つになりました。
それから数年後、
夢が叶ったときの感激は、一生忘れられません。
イギリスのロイヤル・レミントン・スパにある「Warwickshire Collage」へ留学して最初のエクスカーションが、教師と生徒が一緒に郊外へ出かけてクリームティーを楽しむことでした♥
『イギリスのお菓子』は、30年以上も前の本(初版は1989年)ですが、今読んでも全く古びていないどころか、もっと情報が豊富なはずの最近の本と比べても内容が豊かに感じます。
それは、著者である北野佐久子さんの、イギリスへの「純粋な憧れ」と「夢を叶えた喜び」が、活き活きと、まっすぐに綴られているから。
私は読むたびに、単なるレシピ本を超えた感動を覚えます。
この本を手にした大学生の時に、思わず(笑)北野さんへ手紙を送ったほど。
そうしたら…後日、北野さんからお返事が届きました☆
北野さんのように、いつか私もイギリスへ、、、
茶色い畳を見つめながら夢みていたことが
少し、現実に近づけたような気がして、嬉しかったです。
いただいた葉書は今も『イギリスのお菓子』に挟んで、大切にしています。
※ティータイム写真室
“ピクニックへ出かけるように、 記念写真を撮りに行く。”
京都の長岡京市にある未知フォトサロンで
記念写真(ポートレイト)撮影とクリームティーを楽しんでいただくイベントです。
6月26日(土)&27日(日)に開催します。
くわしくはコチラをご覧ください→ OPEN